伊藤忠の繊維部門の取組は?│「繊維といえば伊藤忠」の看板事業!

生活産業(コンシューマー)関連で、「衣・食・住」の「衣」に関する事業を行う組織です。「繊維事業」として独立したカンパニーを持つのは商社で伊藤忠のみで、「繊維といえば伊藤忠」と言われるほど、繊維やアパレルには強みを持つ伊藤忠です。その取組について見ていきましょう。

伊藤忠│繊維カンパニーの収益

住生活カンパニーの20年3月期当期利益は91億円

セグメントの収益から見ていくと、繊維カンパニーの20/3期 当期利益は91億

前年比から▲207億の減益となっていますが、繊維事業においては総合商社で圧倒的No1の事業規模を誇っています。

出所:伊藤忠│2020年3月期決算資料

伊藤忠の繊維カンパニーの利益推移

以下は伊藤忠の時系列のオペレーティングセグメント別の当期利益の推移ですが水色が同カンパニーの当期利益となっている。伊藤忠において老舗事業部門ではありますが、近年では収益規模の拡大が喫緊の課題となっています。

出所:伊藤忠│統合報告書2019

伊藤忠商事の繊維カンパニー事業

同カンパニーは、繊維業界の川上から川下までのバリューチェーンを有しており、川上分野の「繊維原料・テキスタイル」から始まり、「繊維資材・ライフスタイル」、「ファッションアパレル(OEM・ODM)」、そして川下分野の「ブランドビジネス(輸入・ライセンス・商標権獲得・M&A)」まで、ビジネスモデルを進化させてきている。

今後の重点政策としては、①商いの次世代化推進として「主導権をもった原料起点のバリューチェーン構築」および「新たな流通チャネル参入」、②既存事業強化、③中国アジアにおける地場優良企業との提携強化を掲げる。

出所:伊藤忠│統合報告書2019

 

  • ジョイックスコーポレーションは、主力ブランドであるPaul Smithなどを扱い、今後ECやオムニチャネル化に注力。
  • そのほか、服飾衣料資材を扱う三景、スポーツアパレルを扱うデサント、ジーンズのエドウィンなどを持つ。デサントに関しては、19年1月に伊藤忠がTOBを実施し出資比率を40%にまで引き上げたことで、話題となった。
  • 海外事業では、ITOCHU Textile Prominentを梃子に事業展開を行っている。ベトナムでの事業展開をさらに進めるため、国営繊維公団VINATEXへの出資も行った。
  • 中国の伊藤忠繊維貿易社を通じて、繊維原料・資材・記事・服飾資材の販売などを行っている。
  • その他、再生ポリエステル技術を有する日本環境設計への出資、米大手素材メーカーのLYCRAへの出資など繊維バリューチェーンの上流を中心に出資を行っている。