伊藤忠の食料部門の取組は?│商社No1!ファミマやDoleなど有力事業を擁する屋台骨事業

伊藤忠の食料関連事業は、タイトル通り商社No1の圧倒的強みを持つ屋台骨事業です。その取組について見ていきましょう。

伊藤忠│食料部門の収益

食料カンパニーの20年3月期当期利益は499億円

セグメントの収益から見ていくと、食料カンパニーの20/3期 当期利益は499億

前年比から+36億の増益となっており、「非資源商社ナンバーワン」を謳う伊藤忠を代表するセグメントとなっています。

出所:伊藤忠│2020年3月期決算資料

伊藤忠の食料部門の利益推移

以下は伊藤忠の時系列のオペレーティングセグメント別の当期利益の推移ですがピンク色が食料カンパニーの当期利益となっている。

2012年にDoleの青果・加工事業を買収したことを契機に、伊藤忠の収益を牽引している事が分かります。「非資源に強い伊藤忠」の成長をささえる超重要なコア事業となっていることが見て取れます。

出所:伊藤忠│統合報告書2019

伊藤忠商事の食料事業

食料のバリューチェーンの各段階において非常に強い事業基盤を有しており、原料・素材~製造加工(生鮮、食糧)、中間流通(総合食品卸)、小売(コンビニ)と非常に多岐にわたる事業を手掛けています。

出所:伊藤忠│食料カンパニー事業説明会資料

 

地図で見ても、世界中で様々な拠点を有している事が分かる。

出所:伊藤忠│統合報告書2019

 

それでは伊藤忠の食料カンパニーの取組を「食料部門(川上~川中)」、「生鮮食品部門(川中~川下)」、「食品流通部門(川中~川下)」に分けて見ていきましょう。

食糧事業(川上~川中)

  • 同事業では、食糧原料の調達・物流・販売をてがけ、アジア・日本向けの原料の安定供給を担っている。飼料穀物、コーヒー豆、乳製品、植物油、ゴマ、でんぷんなどのの扱いに強みを持つ。
  • 中核事業会社である米国EGT社は、北米の穀物集荷・輸出エレベーター運営事業を行い、アジア向けにコーン、大豆、小麦などの輸出を手掛ける。また、米国のCGB Enterprisesは米国97か所で穀物の内陸集荷および物流事業を行っており、穀物集荷の準メジャーのポジションに位置する。
  • 国内では、伊藤忠食糧(乳製品、食料大豆、ゴマ、でんぷん)、伊藤忠飼料(飼料製造販売)、伊藤忠製糖(砂糖製造)、不二製油(油脂製品)などを持つ。

 

生鮮食品事業(川中~川下

  • 生鮮3品と呼ばれる畜産、水産、農産品の生産・流通・販売バリューチェーン事業を行っており、各分野でトップクラスのシェアを誇る。
  • 畜産では、プリマハム(食肉加工)、カナダHyLife Group(養豚・豚肉加工)、豪州Teys Australia Condamine(牛肉)、中国の山東美好食品(鶏肉)などへ出資している。
  • 水産では、マリンアクセス(マグロ流通)、Aneka Tuna Indonesia(ツナ缶製造)など。
  • 農産品では、Doleアジア青果事業を手掛けておりパイナップルやバナナの供給を手掛けている。他にはセルビアのMaster Fruits(ラズベリー)などを擁する。なお、伊藤忠がDole/ドールのアジア・製菓事業とグローバル加工食品事業を買収したのは2012年で、1350億円での完全買収を行った事で話題となった。

食品流通部門(川中~川下)

  • 小売りでは、18年にユニーファミリーマートフォールデングスへTOBを行い子会社化を実施し、同社を通じてファミリーマート(サークルK・サンクス)ブランドのCVC(コンビニエンスストア)事業を展開する。国内だけでなく、タイ、中国、台湾、インドネシア、ベトナム、フィリピン、マレーシアなどアジア市場への積極展開を進める。19年末時点で、国内では1万7千店舗、海外では8千店舗近くをファミマ店舗を運営している。
  • また、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングスと業務提携を行い、商品の共同開発などを行っている。
  • その他、子会社に日本アクセスや伊藤忠食品などを擁する。