双日のリテール・生活産業の取組は?ベトナム食品流通や製紙などに強み

双日の生活産業・リテール関連ビジネスの取組を見てみます。

双日│リテール・生活産業事業の位置づけ

双日では9つの営業本部制を敷いており、コンシューマー産業向けの事業は、「リテール・生活産業本部」が手がけている。

 

双日│リテール・生活産業本部の収益

以下は双日の20/3期決算のセグメント別実績となる。

リテール・生活産業本部の当期利益は60億円(前期比+3億円)と、安定的で規模感のある利益を創出している。

双日│リテール・生活産業本部の事業概要と強み

双日はASEAN各国の発展段階に応じた食品・リテール事業の基盤商業施設のマネジメント実績トップクラスの北米牛肉輸入合板事業などを有している。

 

ASEANリテール事業

ベトナムでは食品流通・小売りのバリューチェーンをおさえている。

  • ベトナムでは食品卸最大手のHuong Thuyが消費財全般の小売り向け総合卸を手掛けており、ベトナム全土で4万社以上のリテール顧客を持つ。
  • コンビニ事業では、Ministop Vietnamが2015年より同国でコンビニエンスストア事業を行っており。19/12時点で140店舗を持つまでに成長した。現在、フランチャイズモデルを推進しさらに店舗数を拡大する予定である。
  • New Land Vietnam Japanは、4温度帯(常温、定温、冷蔵、冷凍)に対応した物流センターやトラックなどを保有し、食品の保管から店舗への輸送まで一貫したコールドチェーンサービスを日本の国分グループとの共同事業で提供している。
  • Japan Best Foodsでは、コンビニ向けなどの日配総菜の製造販売に取り組んでいる。

 

  • タイでは、FB Food Serviceが業務用製造。卸事業を展開。
  • ミャンマーでは現地小売最大手のCity Mart Groupと提携し、Premium Sojitz Logisticsを立ち上げ4温度帯物流事業をてがけている。

畜肉事業

  • 中核子会社の双日食料が畜産ビジネスを手掛けており、輸入牛肉と輸入豚肉の取扱量はトップクラスである。
  • 2018年に同社が設立した「ミートワン」は、国内畜肉加工・物流10数社が出資する畜産関連事業のマーケティング会社であり、当該出資先を通じて新たなマーケット開拓などを進める考えだ。

 

商業施設事業

  • 双日商業開発が、商業施設のプロパティマネジメントやコンサルティングを行っている。19年には那須ガーデンアウトレットの信託受益権を芙蓉総合リースと共同取得しアウトレット事業の運営に初参画した。
  • JALUXは、JAL系列の航空・空港関連やライフサービス事業、リテール事業など多角的に行っている。双日はJALUXは、モンゴルの新ウランバートル国際空港の運営事業に三菱商事や成田国際空港と共に参画し、15年間の運営事業を行う。

林産・繊維・物資事業

  • 林産資源分野では、輸入合板で国内トップクラスを誇る。中核子会社は双日建材。そのほか、ベトナムでの木材チップ生産など。
  • 繊維分野では、国内大手SPA向けのOEM事業に強く、繊維製品の輸出入を展開している。子会社に双日ファッション第一紡績などを持つ。
  • 物資・ライフスタイル分野では、衣料製品の製造を行う双日インフィニティ双日ジーエムシーを持つ。ベトナムでは、現地大手製紙会社のサイゴンペーパー社を買収し、家庭紙や段ボール原紙製造事業を展開している。