豊田通商 中期経営計画2023とは? アフリカ事業戦略は?

豊田通商が次期中期経営計画(”中計2023″)を発表しました。

豊田通商の中計は3年単位ですので、今回発表した中計2023は、2020/4~2023/3の3年間が対象期間となります。中計資料から、豊田通商の注力分野などを見てみたいと思います。

まずは足元実績の振り返りから

まずは、足元の中計2020(2017/4~2020/3)で設定した目標と成果の振り返りです。

前提レート(100円/USD)と比べて、相当な円安(109円/USD)に振れた恩恵もあるとは思いますが、当期利益、ROE、有利子負債、ネットDERなどの定量目標を全て達成したことは称賛すべき結果です。

出所:豊田通商│中期経営計画2023

豊田通商の中計2023の定量・定性目標とは?

定量目標は残念ながら開示なし

先ずは定量目標からですが、COVID-19影響のせいか目標利益の開示がありませんでした!

同時期に決算を発表した双日や三井物産についてはCOVID-19影響が収束する時期についての自社前提を置いたうえで来期の利益目標の開示があったのですが、豊通に関しては開示がなかったことは非常に残念です。

以下のような資料のみの開示にて、具体的な数値目標はなし。

 

定性目標については4つの重要課題認識を設定

再生可能エネルギーについては「機械・エネルギー本部」編にて、循環型静脈事業戦略については「金属本部」編にて説明しているので割愛します。

豊田通商の機械・エネルギー事業の取組は?│再エネ事業を加速
豊田通商の機械・エネルギー事業の取組は? 中計2023でも注力領域として掲げられている、再生可能エネルギーでの今後の展開に期待です。
豊田通商の金属部門の取組は?│資源循環事業などで社会的課題を解決
豊田通商の金属部門の取組は? 豊田通商らしいMobilityまわりの金属事業の展開について説明します。特に、中計でも注力領域とされている「循環型静脈事業」については注目です。

 

豊通といえば、やはりアフリカ。その成長戦略は?

アフリカ商社を自負しているだけあり、中計資料にはページ数を割いてアフリカ戦略が語られています。

2012年に買収(2016年完全子会社化)したフランス最大のアフリカ専門商社CFAOを中核にし、アフリカ西部北部に強いCFAOとアフリカ東部南部に強い豊田通商との地理的補完関係を発揮しアフリカでの事業拡大を展開するために、2017年にアフリカ本部を設立。

CFAOはアフリカではすでに54か国への事業基盤を有しており、売上高も6000億とかなり規模感のあるビジネスを展開しています。売上高に占める割合は、自動車が6割、ヘルスケアが3割、その他1割と、やはり自動車が強いです。

それでは各戦略ビジネスユニット毎に見ていきます。

アフリカ│自動車SBU

2019年にトヨタ自動車のアフリカ部隊を豊通に全面移管し、アフリカ全土で全面的に自動車を取り組んでいます。取り扱いブランドは、トヨタ、日野、ヤマハ、スズキ、三菱自動車、フォルクスワーゲン、スバル、プジョー、メルセデス、シトロエンなど多岐にわたり、業態も代理店・ディーラー事業、メンテナンスサービス、パーツ販売などを54か国で展開。

現地組み立て生産に関しては以下の通り。

今後の自動車部門の戦略としてはオープン戦略で多面的なアライアンスによる事業拡大を企図。

 

 

アフリカ│ヘルスケアSBU

売上高の30%を占めるヘルスケア部門では、アフリカ西部を中心に医薬品の卸売を展開。

2017年より、ガーナ・ナイジェリアでの遠隔診断・医療サービス事業にも参画。

 

アフリカ│消費財・生活産業SBU

コンシューマービジネスにおいては、モールの運営、ハイネケンと提携しビールの製造販売などを手掛けている。

 

アフリカ│テクノロジー・エネルギーSBU

豊通は機械・エネルギー本部が再生エネルギー事業を注力領域に掲げており、アフリカ案件も積極的です。エジプトでの風力発電やケニアでの地熱発電なども手掛けています。

また、ケニアではミニグリッド事業にも参画。電気が届かないエリアに対し、電力を供給しています。

 

以上、豊田通商の中計2023およびアフリカ事業の紹介でした。

 

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