本日、伊藤忠商事の20/3期(19年度) 決算発表がありました。
伊藤忠商事│20年3月期決算のハイライト
伊藤忠商事│20年3月期の決算概況
前述の通り、19年当期利益は5013億円で〆。
当期利益、営業キャッシュフロー、EPSで過去4年連続の最高値を更新するところなどは素晴らしいです。
伊藤忠商事│20年3月期実績のセグメント別利益
セグメント別では、繊維▲207億、エネルギー・化学品▲166億などの悪化が大きかった模様。
一方で、金属+326億(豪州やブラジルでの鉄鉱石事業で増益)、機械+96億(前期損失の反動)などでは増益を確保。
注目すべきは、資料左下の資源・非資源の比率です。伊藤忠は非資源事業の利益比率が70%以上と、資源価格の変動などの市況耐性に強いポートフォリオを持っている点に特徴があり、資源比率の高い三井物産や丸紅とは大きく異なる点です。
伊藤忠商事│好調な業績にて中計2020を1年前倒しで達成
2019年度の好調な決算により、中計2020の定量目標は1年前倒しで達成との事で非常に盤石な経営を見せています。
伊藤忠商事│21年3月期見通し
21年3月期経営計画
伊藤忠の経営指針である「か(稼ぐ)・け(削る)・ふ(防ぐ)」の再徹底による原点回帰をアピール。
21年3月期の当期利益は4000億円と減益予想となりますが、配当金に関しては累進配当継続により88円(+3円)増配と、積極的な株主還元方針を表明しています。
21年3月期配当政策
21年3月セグメント別見通し
以下が、21/3期の利益見通しのセグメント別になります。
その他調整口にバッファー▲500億を積んでいるとの事で、仮にこの潜在的なリスクが顕在化しなければ+500億円の増益要素になりますね。
総合商社7社の決算まとめ
総合商社7社の明暗が分かれる形に!
総合商社7社の20/3期決算がそろいました。
過去最高益を更新した伊藤忠、減益ながらも商社#1の利益額を堅持した三菱商事、前年と同規模の利益を確保した三井物産と豊田通商
金属市況悪化などに苦しめられた双日、そして減損が響き大幅減益となった住友商事、7社で唯一の大幅な最終赤字となった丸紅
と明暗が大きく分かれた決算だったように思います。
当期連結利益(億円) | 18年3月 | 19年3月 | 20年3月 | 21年3 見通し | 20年3月 対19年3月 | 21年3月 対20年3月 | |
三菱商事 | 5,602 | 5,907 | 5,354 | -9% | |||
三井物産 | 4,185 | 4,142 | 3,915 | 1,800 | -5% | -54% | |
伊藤忠商事 | 4,003 | 5,005 | 5,013 | 4,000 | 0% | -20% | |
住友商事 | 3,085 | 3,205 | 1,714 | -47% | |||
丸紅 | 2,113 | 2,309 | -1,975 | 1,000 | -186% | -151% | |
豊田通商 | 1,302 | 1,326 | 1,356 | 2% | |||
双日 | 568 | 704 | 608 | 400 | -14% | -34% | |
7社合計 | 20,858 | 22,599 | 15,985 | ||||
7社中央値 | 3,085 | 3,205 | 1,714 | ||||
7社平均値 | 2,980 | 3,228 | 2,284 |
過去10年の総合商社7社の利益推移