住友商事の2020年3月決算は? 前年度から利益が半減!鋼、自動車、資源の業績不振響く。

本日、伊藤忠商事の20/3期(19年度)  決算発表がありました。

住友商事│20年3月期決算のハイライト

20/3期実績
当期利益は1714億円と、対前年比▲46%の減益。鋼材・鋼管事業、自動車事業、金属資源などでの下振れが響いた形。
配当は前年同額の80円 (普通配当70円+記念配当10円)を維持。配当性向58%。

21/3期見通し
当期利益は非開示
・配当性向30%を目安として、配当70円(記念配当分の減配▲10円)とした。

住友商事│20年3月期の決算概況

前述の通り、19年当期利益は1714億円で〆。Q4でのマイナスが響き対前年比▲46%の結果に。

右下に銅や石炭の基準価格の前提が掲載してありますが、市況がこの1年で大きく軟化している事が分かります。

住友商事│2020年03月期決算│概況

住友商事│20年3月期実績のセグメント別利益

セグメント別では、対前年比較で金属(鋼管・鋼材)で▲905億、輸送機・建機▲220億円、資源・化学品で▲232億などの悪化が響きました

住友商事│2020年03月期決算│セグメント別

金属事業│▲905億

鋼管価格の市況の軟化(20か月連続での下落、価格ベースで▲24%下落)により、鋼材部門にて海外スチールセンター事業での減益、非鉄金属部門でのアルミ精錬事業の不調、鋼管部門では北米鋼管事業会社の減損や在庫評価損の計上などが大きな損失を生んだ形。

建機・輸送機事業│▲220億

こちらは販管費増加や、持分投資損益の減少などが減益の理由。

自動車メーカー減産による製造事業の低迷やタイヤ卸売および小売事業を行う米国のTBC社の減益で自動車部門は数十億の赤字となった模様

 

資源・化学事業│▲253億

銀、亜鉛、鉛のトレード数量の減少や、豪州石炭事業の市況軟化の影響が大きかった。

持分損益で見てみると、マダガスカルのニッケル事業は前期から改善がみられたものの未だ▲205億の持分損失となっており、ボリビアの銀・亜鉛・鉛事業会社も前期から▲250億の悪化米国タイトオイル・シェールガス事業も前期から▲60億の悪化となっており、上流での資源開発(E&P)事業が軒並み崩れている。

 

住友商事│21年3月期見通し

21年3月期 業績

現時点では、合理的な見通しを開示することは困難とし、非開示

21年3月期 配当政策

先述の通り、普通配当ベースでは前年維持となる70円目標としています。最終的には、配当性向30%を目安に配当可能なキャッシュフローの金額を見極めて配当額を決定するとしています。

 

総合商社7社の決算まとめ

総合商社7社の明暗が分かれる形に!

総合商社7社の20/3期決算がそろいました。

過去最高益を更新した伊藤忠、減益ながらも商社#1の利益額を堅持した三菱商事前年と同規模の利益を確保した三井物産と豊田通商

金属市況悪化などに苦しめられた双日、そして減損が響き大幅減益となった住友商事7社で唯一の大幅な最終赤字となった丸紅

明暗が大きく分かれた決算だったように思います。

当期連結利益(億円)18年3月19年3月20年3月21年3
見通し
20年3月
対19年3月
21年3月
対20年3月
三菱商事5,6025,9075,354-9%
三井物産4,1854,1423,9151,800-5%-54%
伊藤忠商事4,0035,0055,0134,0000%-20%
住友商事3,0853,2051,714-47%
丸紅2,1132,309-1,9751,000-186%-151%
豊田通商1,3021,3261,3562%
双日568704608400-14%-34%
7社合計20,85822,59915,985
7社中央値3,0853,2051,714
7社平均値2,9803,2282,284

過去10年の総合商社7社の利益推移

 

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