三井物産│化学品・アグリ部門の取組は?│ニュートリションなど新領域へも投資

三井物産│化学品部門の収益率

20/3期決算では、化学品の当期利益は223億円となっており、前年度+171億円の増益となった。これは、前年度の米国ターミナル事業損失の反動となっている。
全社利益における化学品の利益割合は6%と僅少である。

三井物産の化学品セグメント

17/4より、ベーシックマテリアル本部」、「パフォーマンスマテリアルズ本部」、「ニュートリション・アグリカルチャー本部の3本部制に移行。

事業内容

基礎化学品、肥料・無機原料などの川上・川中領域から、多様な市場ニーズを見据えた機能性素材、電子材料、スペシャリティケミカルズ、木材資材・建材、肥料製品・農薬、飼料添加物、香料などの多様な市場ニーズに応える川下領域での展開、およびタンクターミナル事業や炭素繊維、フードサイエンス領域での新規取り組みを含め、さまざまな産業に寄与する幅広い取引と投資を通じた事業を展開。

競争優位性
  • 多岐にわたる商品領域での取り扱いと強固でグローバルな顧客基盤
  • ネットワークを駆使したトレーディングと事業運営を通じたビジネスの創出
  • 主体的に事業を推進することによる高い投資効率

事業環境と基本戦略

化学品セグメントの事業環境を以下の通り定義しており、①トレーディング事業の強化②既存事業に対する更なる投資実行③新機能性素材などの新規成長領域の開発を基本戦略としている。

 

本部別の取り組み

「ベーシックマテリアル本部」

基礎化学品領域である、メタノール、アンモニア、オレフィン、クロールアルカリ、アロマ・化成、タンクターミナル事業を扱う本部である。

  • 主要な事業会社として、米国メタノール製造会社MMTX
  • 石油化学関連では、米国で石油・石油化学製品のタンクターミナル事業を行うIntercontinental Terminals Company (“ITC”)。
  • クロールアルカリ事業では、豪州の塩田事業 Shark Bay SaltやOnslow Saltを所有・運営している。
  • 欧州では、関西ペイントの子会社で塗料製造・販売事業を行うオーストリアのKansai Helios Coatings GmbH

 

「パフォーマンスマテリアルズ本部」

機能材料(合成樹脂・合成ゴム、炭素繊維、シリコーン、触媒など)、先端素材(液晶ディスプレイ材料、半導体材料)、スペシャリティケミカルズ(化粧品原料、洗剤原料)などを取り扱う。

オランダで三井化学とポリプロピレンコンパウンド製造会社を設立。

タイで日本触媒およびタイ最大の石油化学メーカーであるPTTGlobal Chemical Publicと界面活性剤の製造合弁の検討を進めている。

「ニュートリション・アグリカルチャー本部」

アグリカルチャー、アニマルニュートリション、ヒューマンニュートリションの3領域を基軸に事業展開をしている。

アグリカルチャーは平たく言うと農薬肥料のビジネスである。

農薬ビジネスは、欧州と米州の農薬事業統括会社Mitsui Agri Scienceを持ち、傘下にオランダ、ドイツ、米国などで事業会社を持ちグローバルなトレーディング事業を展開している。

肥料ビジネスは、川上事業、肥料原料トレーディング、農業資材のディストリビューションなどを手掛けている。川上事業では、ペルーでリン鉱山開発事業に参画。メキシコの農業資材販売会社への出資など。

アニマルニュートリションは、動物のエサ関連が主。米国の家畜飼料添加物メーカーへ出資。

ヒューマンニュートリションは、米国で高機能サプリメントのThorne Research社へキリンHDと共に出資し、個別化栄養分野でのソリューション提供の仕組みづくりを推進している。

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