双日の化学品部門の取組は?│収益の柱のひとつでメタノールに強み

双日の化学品事業の取組を見てみます。

双日│化学本部の位置づけ

双日では9つの営業本部制を敷いている。

 

双日│化学本部の収益

以下は双日の20/3期決算のセグメント別実績となる。
化学本部の当期利益は93億円(前期比+3億円)と、安定的な収益を出しており双日の収益の柱の一つとなっている。

双日│化学本部の事業概要と強み

メタノール(ガスケミカル)事業」、「C5・石油樹脂事業」、「合成樹脂事業」、「工業塩事業」、「希少資源事業の5事業を敷いており、広範な顧客基盤や幅広い商材を有していることを強いとしている。

双日│事業別の取組

メタノール事業

メタノール事業では、インドネシアのメタノール製造会社Kaltim Methanol Indstru (“KMI”) に出資しており、メタノールをアジアを中心として販売している。

17年3月に買収したドイツの大手化学品商社Solvadisは年間100万トン規模の取扱数量を誇るメタノールなど基礎化学品の販売に強い。Solvadisは、ベルギーでの硫黄の固形化設備の新設を推進しており、北西ヨーロッパ最大の硫黄貯蔵・処理拠点となる計画である。

トレーディングでは、エヌアイケミカル社が東洋湾でタンクヤードを保有し化学品の保管や入出荷業務を行っている。また、北港化学はシンナー類の受託製造販売や油槽所管理業務などをてがける。

 

石油樹脂事業

米国でDCPC樹脂製造を行うメトンアメリカ社(テキサス)や米国石油化学メーカーのサイメテック社(ケンタッキー州)に出資参画しており、原料調達から樹脂製造までの一貫したバリューチェーン体制整備をしている。

合成樹脂事業

化学品業界トップクラスの合成樹脂専門商社である双日プラネットを中核とし、汎用合成樹脂原料、高機能素材、包装資材、実装基板、など幅広い商材を扱う。

同社は子会社としてプラマテルズ(合成樹脂原料・製品・加工機械の販売)やフィンランドBiaxis(ナイロンフィルム製造)やカナダAmerican Biaxisなどを持つ。また、ブラジルのブラスケム社のアジア・オセアニア向けの販売代行権を取得した。さらに、ベトナムでは包装資材製造のランドン・ロンアン・プラスチック(”RLP”)へ18年に出資参画した。

工業塩事業

インドのアーチャーングループと工業塩製造事業に取り組んでいる。

希少資源事業

11年に豪州のライナス社へ出資しレアアースの供給源の多様化を実現。ライナスではネオジムやプラセオジムなどの生産を行っている。

 

 

参考資料(IR Day資料)

総合商社の話がしたい