丸紅の機械部門の取組を見てみます。
丸紅│機械インフラ部門の位置づけ
丸紅では19/4に機構改革があり、新組織下において機械部門は「社会産業・金融グループ」の中の「プラント本部」、「航空・船舶本部」、「建機・自動車・産機本部」が手掛けている。
前編では、「プラント本部」の取組についてフォーカスをあてる。
丸紅│機械インフラ部門の業績
「プラント本部」
20/2実績では▲278億円と赤字転落。フィリピンインフラ事業投資の減損、米国石油ガスE&Pの減損、海外インフラの損失などが響いた。
丸紅│プラント本部の取り組み
強みは業界トップクラスの鉄道・水・プラント事業
丸紅のプラント本部では、「石油・ガス・化学」、「製鉄、セメント」、「紙パルプ、砂糖、繊維、廃棄物発電などのプラントEPC」、「石油・ガスインフラへの事業参画」、「鉄道システムEPC・運転保守」、「鉄道・道路・港湾・空港などの交通インフラへの事業参画」、「上下水・海水淡水化などの水事業への参画」、「水事業関連設備EPCおよび運転保守」、「廃棄物発電・燃料転換などのサーキュラーエコノミー事業」、「インフラファンドの運営」など、幅広い事業を行っている。
出所:丸紅│統合報告書2019
成長戦略は循環型経済(廃棄物再資源化)、新たなファンド事業など
主な取組み
交通分野
事業投資とEPCの両事業を行っており、鉄道EPCについては、子会社の丸紅トランスポートエンジニアリング社に集約。EPCはミャンマー、フィリピン、バングラディッシュなどを重要市場として取り組んでいる。
- タイのバンコク都市鉄道パープルライン都市鉄道システム納入+保守サービス事業(東芝・JR東日本)
- バングラデシュ初の市民鉄道MRT6号システム一括納入(印L&T)
- ミャンマーのヤンゴン・マンダレー幹線鉄道向け車両(IHH)
- アルゼンチンの首都近郊線自動車列車停止装置(日本信号)
- 豪州のゴールドコースト市路面電車システムPPP事業、シドニーメトロトラムPPP事業(Plenary)
- タイのレムチャバン港湾ターミナル事業(PSA、上組)
- フィリピンのパウワン港湾ターミナル事業
- みずほ銀行と共にインフラファンド「MM キャピタルインフラストラクチャー・ファンド1号」を設立。最大500億規模の運用資産を目指し、交通インフラ・エネルギーセクターのブランフィールドアセットへの投資を行う。
水分野
上下水事業から水処理施設のBOT、EPC案件、運転保守管理に至るまで、多彩な水事業を展開。水事業の歴史は大手商社の中で最も古く、保有資産の給水規模において本邦企業としては水事業者としてトップクラスである。
- フィリピン マイニラッド上下水道事業
- チリ/Aguas Nuevas社(上下水道事業)
- ポルトガル/AGS社(上下水道事業)
プラント分野
- カザフスタンのアティラウ製油所近代化フェーズ3案件
- アンゴラの繊維プラントリハビリテーション案件
石油・ガスインフラ分野
PSO※3・海上プラットフォームなどの海洋エネルギー事業、パイプライン・都市ガス供給などの石油・ガスインフラ事業投資を幅広く行っている。
- ブラジルのセルナンビ・ノルテ鉱区向けFPSO傭船事業
- ポルトガルのGGND社(ガス配送事業)
- 米国のGulfstar(SPAR型原油・ガス洋上生産・処理事業
サーキュラーエコノミー分野
廃棄物を資源と捉え、その再生・再利用を志向するサーキュラーエコノミー領域として廃棄物のエネルギー転換を目的とする廃棄物発電、液体燃料化や化学品原料化など新たなビジネス領域拡大に取り組んでいる。
- タイ/チョンブリクリーンエナジー廃棄物発電プラント
- フランス・イタリア/Solvayグループ工場向け熱電併給事業