住友商事の金属部門の取組は?│「鋼材&鋼管の住商!」と言われる中核事業

住友商事の金属部門の取組を見ていきましょう。

住友商事│金属部門の収益

20/3期の金属部門の利益は▲500億円である。主力である北米鋼管事業の不調、マレーシアのアルミ製錬事業の操業減などが重なり、前年から▲905億円と大幅なマイナスとなった。
住友商事│2020年03月期決算│セグメント別

住友商事│金属部門の事業戦略

事業戦略としては、

  1. 圧倒的な強いをもつ油井管顧客ネットワークの活用とICT新技術への積極投資を通じた、サプライチェーンマネジメントの高度化による事業拡大、
  2. 安定収益が期待できる鉄道資機材事業(レール、車輪、車軸、メンテナンス)において複合的なサービス機能の提供、
  3. マレーシアにおけるアルミ製錬事業を核としたアルミのバリューチェーン拡大、
  4. 新興国の都市化の進展および先進国のインフラ更新による鋼材需要の捕捉、
  5. 自動車製造分野で、輸送機・建機事業部門との戦略の融合、の5つを掲げている。

(なお、他の商社ではいわゆる金属部門が上流の金属資源開発を行っているが、住友商事の場合は、資源開発は「資源・化学品」部門の管掌となっている。)

住友商事│事業概要│金属

出所:住友商事│統合報告書2019

住友商事│金属部門の事業概要

鋼材事業

  • 熱延鋼板、冷延鋼板、電磁鋼板・ブリキ、表面処理鋼板などの自動車向けを除く、薄板加工・販売事業を行っている。建設用途、変圧器用途、太陽光発電用架台用途、家電製品用途など様々である。
  • 自動車金属製品として、自動車用鋼板、鋼管、線材、特殊鋼、ならびに工具鋼などの加工・販売事業行っており、バリューチェーン拡大を図っている。

住友商事│事業概要│金属2自動車

出所:住友商事│2018年金属事業部門説明会資料

 

  • また、安定収益が期待できる鉄道資機材事業(レール、軌道資機材、車軸、車輪)において複合的なサービス機能の提供を行うべく製造・販売・メンテナンス事業への幅だしを行っている。住友商事│事業概要│金属鉄道VC

出所:住友商事│2018年金属事業部門説明会資料

 

鋼管事業

  • 油井管、油井資機材等の製造・加工・販売事業、ラインパイプ、特殊管、厚板などの販売事業を手掛ける。油田・ガス田の開発・生産用途、掘削リグ用途、パイプライン、電力発電所、天然ガスタンクなどの用途に使用される。
  • 米国油井管Champions Cinco Pipe & Supply社を買収し、同社の強みである大手インデペンデント石油・ガス会社を中心とする幅広い顧客基盤や全米規模の拠点、販売、物流ネットワークと、住友商事の鋼管製造・加工・問屋網の幅広いバリューチェーンとのシナジーを追求していく考えである。
  • また、新規商材獲得のために、Airborne Oil & Gasへの新規出資し、成長が期待されるSURF(Subsea, Umbilical, Riser,Flowline)分野のバリューチェーン拡充を狙っている。

 

非鉄金属製品

  • アルミニウム地金製造事業、圧延加工・販売事業や、レール・台車・締結部材の販売事業、車軸・車軸製造販売ならびに車軸保守・メンテナンス事業、タイプレート製造・販売事業などを手掛けている。飲料缶用アルミ用途、自動車用アルミ用途、鉄道関連用途などである。
  • マレーシアにおけるアルミ製錬事業を核としたアルミのバリューチェーン拡大に注力していく考えだ。

住友商事│事業概要│金属アルミVC

出所:住友商事│2018年金属事業部門説明会資料

 

 

 

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