金属資源は三井物産の稼ぎ頭!
三井物産は収益に占める資源関連事業の割合が高いことが特徴であり、この金属・資源関連事業で全社利益の太宗を稼ぎ出している。
以下は、20/3期のセグメント収益だが、青色が金属資源分野に該当する。特に金属では、20/3期に1800億円と全社収益3915億のほぼ半分を稼いでいる事が分かる。
三井物産の金属セグメント
金属関連として、「鉄鋼製品本部」と「金属資源本部」の2本部制を敷いている。
事業戦略
中計2023においても、金属資源は中核事業として「鉄鉱石量の維持・拡充」と「原料炭ポートフォリオ良質化」、「銅拡張・良質化」、「リサイクル事業の推進」の4つを掲げている。
具体的案件では、豪州のSouth Flank鉄鉱山開発(21年生産開始)やRobe Riverにおける鉄鋼山開発(21年生産開始)をあげている。
本部別の取り組み
鉄鋼製品本部
国内では、三井物産スチールが鉄材や鉄版等の販売・輸出入を幅広く手掛ける。
新事業領域として、構造物の総合メンテナンス会社であるショーボンド社との合弁事業で道路・橋・鉄道・港湾などの構造物を対象とした総合メンテナンスサポート事業を行う。今後世界各地で既存インフラの老朽化が進み、補修・補強の需要が高まる事から海外メンテナンス事業は今後積極的に取り組むとされている。
またスペインの自動車プレス部品メーカーGestamp社との協業により、従来の「鋼板の供給」の枠を超え、「クルマ作り」そのものへ深く関わり自動車バリューチェーンの強化を企図している。
金属資源本部
鉄鋼原料、非鉄金属などの事業投資・開発やトレーディングを通じて、産業社会に不可欠な資源・素材の確保と安定供給を実現している。コスト競争力・生産量・鉱量の三位一体で収益基盤を構築していく事が非常に重要であり、業界で培った機能・信用・ネットワーク・物流ノウハウから生まれるビジネスチャンスを拡大していく。
保有資源のポートフォリオとしては、鉄鉱石、石炭、銅、ニッケルとなっている。
鉄鉱石事業に関しては、三井物産は大手商社の中でもダントツの持ち分生産量を持つ。豪州のRobe River鉄鉱石事業では、無人操業の導入などにより効率化を図る予定である。
石炭事業に関しては、一般炭事業からの撤退をすでに打ち出しており豪州Bengalla炭鉱を売却済。